秋田東北商事株式会社

NEWSお知らせ

2013年07月の記事一覧
2013.07.29 | エコムジャーナル

青森だより vol.3

 7月3日小雨の中、北上市で三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社殿で受注した、
『(仮称)岩手中部広域クリーンセンター整備及び運営事業 建設工事』の安全祈願祭が執り行われました。

安全祈願祭

 このクリーンセンターの建設期間は平成27年9月末までの約3年。処理方式はストーカ+セメント資源化方式、処理規模は91t/日×2炉、余熱利用として蒸気タービン発電を行います。
  建設工事、その後の運営と無事故で安全に進みますよう祈っております。

 今回は平川市を紹介させていただきます。弘前市と黒石市の隣に位置し、平成18年に尾上町、平賀町、碇ヶ関が合併して誕生しました。
 盛美園や約1200年前に造営されたと言われる猿賀神社があったり、広船地区で栽培されているリンゴは農林大臣賞を受賞していたり、緑色の天然温泉があったり、碇ヶ関地区の道ノ駅では関所資料館を見学したり、山菜や特産の自然薯をつかった食品を買うことができたり、温泉に入ったりすることができ、多彩な魅力を持ったところです。

数年前のジブリ映画で『借りぐらしのアリエッティ』をご存知でしょうか?人間に見られてはいけないという掟の下、人間の家の軒下に住み、生活品を人間から借りて暮らす小人と、人間の少年との恋のお話しです。盛美園

 この舞台となる建物や庭の絵は、ジブリの社員旅行で訪れた盛美園を参考にしたそうです。
 盛美園は農家で資産家の清藤盛美が明治時代に造らせ、武学流庭園の最高峰と言われ、和洋折衷の洋館を盛美館と言います。
 ぜひ一度、お立ち寄りしてみてはいかがでしょうか。(T.H)

H25.7月

2013.07.29 | 社長だより

社長だより vol.3

【不思議な縁】

 由利本荘市で製材業を営む親戚から、“奥の集落にある旧家、頼まれてつぶすことになった。下見に行ったら座敷の襖に字が書いてある。みるんだったら案内するよ”と、金曜の寝る前に電話があった。

襖の書

 もしかして、手の込んだ古い建具があるかもしれない。矢も楯もなく翌日朝に電話の主の先導で取り壊す家に行ってみた。外観はどうということもない。気落ちしながら低い軒をくぐり座敷に入った。薄暗く布団や雑多なものがちらばり、畳もところどころ落ちているところもあり、黴臭く薄気味悪い。“これなんだけど、”と指を指す。“えっ、これ石田白樹さんの書だよ”。“ふーん、こっちにもあるんだ。”続きの座敷に目を移すと七言絶句の漢詩。ゆったりとふくよかな時が流れるまさしく先生の行書だ。“欲しかったら、持って行ってやるよ”。思わず“欲しい”声が漏れた。

 家に届いた襖の書はあの時見た以上に真っ赤にやけパキパキ折れる。さらに猫のひっかき傷での欠損、雨漏りなどでボロボロになっている。修復には半年以上もかかるそうだ。取りあえず、種苗交換会を始めた石川理紀之助翁の歌二首(かな)、襖二枚の修復を依頼した。お好きであったご酒後かとも感じさせるような筆の動き。下張りの新聞紙から、先生が60歳近くと思われる円熟期の作品だ。これだけの名品、滅多にない。落款も今まで見たこともない文人画のようなひょうたん型に“白樹”とある。

 先生は秋田大学の元助教授で書道界の重鎮であった。奥様は毛馬内(現鹿角市)ご出身の『ゆたか』さんで「かなの名手」と聞いていた。先生が不在の時は奥様にも手ほどきを受けた。なけなしの家計の中から約10年書道塾に通わせた両親。今思えばなんと贅沢な子育てであったろう。
 あとで襖に引き合わせてくれた親戚から、「石田先生は学生時代、近藤さんの奥さんの手形の実家に下宿していたそうだ」と聞いた。これもまた何とも言えず不思議な縁だ。年末修復が終わり我が家に帰ってくる。畳にながまって飽きるまでながめよう。

H25.7月