秋田東北商事株式会社

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2019年12月の記事一覧
2019.12.02 | 社長だより

社長だより vol.60

【佐竹本三十六歌仙絵】

 解体新書の挿絵を描いたことで有名な秋田藩士・小田野直武(おだのなおたけ)は秋田県角館の出身、本格的な洋風画を全国に先駆けて誕生させたことでも知られている。美術の副本でも近代絵画の欄では必ずと言っていいほど『不忍池図(重要文化財、秋田県立近代美術館所蔵)』が掲載されている。右半分に鉢植えの芍薬と右端に太い幹、左に池をはさんで対岸の景色を描いているあの絵だ。本物に出会った時、遠近の静かな佇まいに一人別世界に入りこんだような錯覚があったことをはっきりと覚えている。秋田の絵画は佐竹藩主に多くの名作が残されていると言われる。特に第八代佐竹義敦(よしあつ)、四代義各(よしただ)や九代義和(よしまさ)公などであるが、残念なことに没後は狩野画や秋田蘭画の発展を見なかったようだ。

引かれるように鎌倉時代の名品、現存最古と評される『佐竹本三十六歌仙絵』展覧会に向かった。『佐竹家は1917年に売りたて、手にした実業家は第一次大戦後の終結を契機に手放した*1」。佐竹家に所蔵されていたことに美術界ではたいへんな驚きがあったようだ。
 しかし、(現在の価格で約35億円とも言われる)高額で誰も購入できず、海外流出を恐れ分割し、財界人が籤で購入することとなった。この時の緊張のざわめきは『「画運-順次に内振る「青竹の籤(くじ)筒 遂に分かたれし三十六歌仙」と中外商業新報(日本経済新聞の前身)が1919年大正8年12月22日に報じている*2』。今年はその分割からちょうど100年目、離ればなれになった歌仙絵37枚のうち31枚が京都で再会することとなった。
*1 10/29 秋田さきがけ新報 佐竹資料館講演会から
*2 10/21日本経済新聞23ページ

以前から佐竹本三十六歌仙絵で気になっていたのは、なぜ佐竹家に所蔵されていたのかの流転と、これだけの名品をよくもバッサリと裁断することに気が咎めなかったかである。分割で共有と言いながらも切った行為があまりにも味気なく、あるいはどさくさ紛れでなかったかと思っていた。
 ところが、もともと一枚一枚の歌仙絵であったものを張り合わせしたことをNHKテレビで知った。分割するときは腕の立つ表具師が細心の注意で剥いだとのことで納得しないがわかる気もする。

 照明を落としたガラス越しの歌仙絵は和歌を踏まえた肖像と言われる。右の坂上是則(さかのうえのこれのり)は目を凝らしてみると、遠くへ思いをはせるような目の表情や“寒さのための赤い頬”などその繊細な描写へ心が惹かれる。
 また、所有者によって趣向を凝らした表具にも目を見張る。『中世の絵を切り取り、「表具・肖像・歌」が一体となって』その存在価値をかけがいのないものにしている。
(上記『 』・下記和歌・口語訳とも開催パンフレットから)
 和 歌   みよしのの 山の白雪 つもるらし ふるさと寒く なりまさりゆく
 口語訳  吉野の山には雪が積もっているだろう。奈良の都も寒さがましていく

 会場には歌仙絵のシミなども本物と寸分違わぬ複製もガラスケースに展示されていた。一枚いちまい2~3ミリ重ねて張り合わせていたことも下からの照明で“確認”できた。長い間の小骨が取れたようだ。
 今冬は秋田県立近代美術館(横手市)や秋田市立千秋美術館の企画展で秋田蘭画をじっくりと楽しむことにしよう。そして新年を新たな英気で迎えよう。

令和元年.12月

2019/12/16 1行目の「佐竹藩士」を「秋田藩士」に訂正する。

2019.12.02 | 事務美貌録

第四十七回投稿 事務美貌録 12月号

 ♂の「さ」です。初雪も降り冬が目前に迫ってきました。雪が降るのはまだ先だろうと思っていたらあっという間です。昨年は雪が少なくとても過ごしやすい季節でしたが、今年はどうなるのでしょうか。

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 私が担当の時はいつも、ラーメンの記事を書いていたのですが今年に入ってからチャーハンにハマっており、ご紹介したいと思います。

雪明

 一つ目(画像:右)は仁井田にある「大黒屋」のチャーハンです。カニあんかけチャーハンが有名なお店とのイメージでした。パラパラなチャーハンの中でシャキっとした食感の残るレタスが印象的でした。
   二つ目(画像:下)は外旭川にある「雪明」というお店のチャーハンです。少しパラパラ感は少なく、油っぽさを感じるところもあるのですが、しっとりとしたチャーハンで味付けもしっかりとしていて、個人的にはとても好みでした。
 

東京飯店

三つ目(画像:右下)は広面にある「東京飯店」というお店です。私が訪れた中では一番好みのチャーハンでした。お米の一粒一粒がしっかりと感じられるような食感がクセになり、すぐに掻き込んでしまいました。席が少なく、並ぶ時があるようです。私も一度、開店直後に行って外に6人程並んでいた時は断念しました。

炒飯仙歌


 四つ目(画像:左下)は手形にある「炒飯仙歌」というお店です。パラパラという点では一番だったのですが、薄味で少し物足りない印象でした。しかし、値段が非常に安く大盛りを頼むとかなりの量で、安価ながら大きなプリプリのエビが入っています。


 

 どこもチャーハンを頼むと一緒に中華スープがついてきますが、これもお店によってさまざまであり、楽しみの一つです。また、今回は写真がなかったため載せていませんが、上司に連れていってもらう会社近くにある食堂のチャーハンが一番安心感のある味で、チャーハンにハマるようになったきっかけのお店です。
「チャーハンはパラパラがいい」という先入観がありましたが、何件か食べていると好みとしてはそこまでパラパラしていなくてもいいなと感じました。もちろんお店にもよりますが、パラパラだと薄味で物足りなさを感じるところがありました。

 まだまだ色々なところで食べてみたいのでお勧めがありましたら教えて下さい。