第九回投稿 新・いなさなな日記
いよいよ10月、冬が少しずつ近づいてまいります。冬季スポーツといえば、やっぱりフィギュアスケート!今年は平昌オリンピックのプレシーズン、各選手はオリンピックを見据えたプログラムを用意してくるでしょう。
さて、フィギュアスケートの歴史的な戦いといえば、2010年バンクーバーオリンピックの浅田真央VSキム・ヨナでしょう。歴史に残る名勝負でした。2人はジュニアのときから比較され常にライバル視されていました。2人とも1990年9月生まれ、4人家族で姉が一人、姉と一緒にスケートを始めました。身長・体重も同じで、2人とも国を代表する人気選手。一般的に技術の浅田、表現力のキムと言われています。
結果はみなさんご存知のとおり、キム・ヨナ選手が金メダリストになりました。10点以上差をつけて圧勝、さらに世界歴代最高得点を更新しました。浅田選手にミスはありましたが、そんなに点差がつくミスでしたでしょうか。なぜキム・ヨナ選手は圧勝したのか、ほんのちょっと(あくまでも一ファンとして)お話したいと思います。
浅田選手はシニアに上がってからすばらしい成績を収めていました。しかし、オリンピックシーズンの2009-2010年は不調でした。体が丸みを帯び、身長が伸びていました。女子は1cmでも体型がかわるとジャンプが飛びにくくなると言われます。ジャンプが飛べないままシーズンに突入、オリンピック出場も疑問視されていましたが、全日本選手権で優勝しギリギリ切符を手に入れました。
浅田選手の代名詞はトリプルアクセル(=3A)、女子選手では世界で一人しか飛べない最高難度の必殺技。そのジャンプをオリンピックという大舞台で1試合に3回も飛ぶ快挙を成し遂げました。(ギネスブックに登録されています。)具体的には、ショートプログラムの初めの連続ジャンプで10.10点獲得しています。キム・ヨナ選手はトリプルルッツ(=3Lz)の連続ジャンプで12点を獲得。あれ?何かおかしくありませんか?最高難度のトリプルアクセルより難度の低いジャンプに高い得点が出ています。ジャッジのミスでしょうか?いいえ、ジャッジミスではありません。これが現行制度のカラクリなのです。
ジャンプは基礎点に評価点を加算して算出されます。
基礎点 | 評価点 | 合計 | |
浅田3A+2T |
9.50 |
0.60 |
10.10 |
キム3Lz+3T |
10 |
2 |
12 |
トリプルアクセルは最高難度である故に厳しくジャッジされてしまい、得点が伸びにくいのです。では、トリプルアクセルを回避して、トリプルルッツで勝負すればいいのではないかと思いますが、当時の浅田選手はルッツジャンプを苦手としていて、試合に入れていませんでした。だからこそトリプルアクセルに掛けるしかなかったのでしょう。
対してキム・ヨナ選手はトリプルアクセルを飛ばず、次に得点の高いルッツジャンプで手堅く得点を積み上げ、オリンピックという舞台で完璧な演技をし、優勝しました。つまり、現採点方式を徹底的に分析し、トリプルアクセルを飛ばなくても勝てるプログラムを作り、それを実現したのです。
まだまだ話したいことは山ほどありますが、そろそろ時間が迫ってきました・・・
昨年、復活した浅田選手。平昌オリンピックを目指すと公言しましたが、一ファンとしては、彼女のスケート、彼女の笑顔を見られるだけで幸せです。今シーズンもテレビの前で応援しています!!以上 2番目のなでした。こちらの書籍を参考にしました。
