社長だより vol.32
今年も土崎神明さん、曳山(やま、写真左)が終わった。ユネスコ無形文化遺産登録となった今年、ことのほか熱気でごったがえした。私は御幸曳山(みゆきやま)出発地、穀保町(こくぼちょう)の隣町、新城町(しんじょうまち)で産まれた。現住居は旧寺内6区(高清水)で神明さんとは関係ないが、7月20・21日は盆暮れ一緒に来たようなものだ。6月に入るとお囃子が聞こえ、新年を迎えるように気分が高揚してくる。そして21日の夜、戻り曳山(もどりやま)。つぶれた声の音頭上げ、引手の荒声、きしむ木の車、油の焼けるにおいで『やま』は最高潮に達する。
【夏の家庭菜園】
この時期、“食べたくなる”のが「うり」。うまいのに当たった時のあの感激、ハズレへのぼろくそ。今ではハズレのないメロン。美味しいのだが何かもの足りない。昭和30年代初頭、まだまだ果物も少なく、スイカは高くて1年に2回ぐらいしか食べられなかった。その点、「うり」は手軽な夏の人気もの。フンフンにおいをかぎ、指先でやわらかさを確かめたり、包丁を入れてもらった時の緊張、スプーンで食べる?そんなことはまずなかった。即、かぶりつきだった。果汁を垂らし、怒られながら食べた。
都では「瓜田に履を入れず、李下に冠をたださず」という中国のことわざが賑わっている。「ウリ」はなくても言葉はしっかり残したいものだ。
トマトもそうだ。畑の真っ赤に熟れた大きなトマト。ガブリ!青臭いというか、畝に腰を下ろして、日差しを遮り、青いへたのところまでモクモク食べた。子供のおなかはたちまち満足する。我が家の家庭菜園もこのトマトを食べたいがために始めたものだ。
先日、我が家のトマトをじっと見ていた顔見知りの専業農家の人が、「これさ肥料やったか?」、「もちろんやったすよ!」、「あのよ、トマトは肥料やらねくてもえなだや」、と言う。実は毎年夢に見た大きなトマト、実がつかない・ついても大きくならない。今年こそはと思って肥料もたっぷりやった・・。葉もちぢれ、幹ばかり太く、“病気ではないか?・いやいや石灰が足りないのでは”と家内と悩んでいた・・・
今年はもう一つ大きな失敗をやらかしてしまった。とうきびだ。野菜や果物はもぎたてが最高。毎年、向かいの家からもぎたて5本をいただくのだが、とにかくおいしい。真似をして植えてみた。肥料もたっぷりやった。順調に大きくなり、茎から“とうきび”が2~3本出てきた。ところが何を思ったか、少し抵抗はあったがことごとくトマトよろしく“芽かき”をしてしまった・・・。数日後、青森で助手席から何気なく沿道の畑を見ていたら、“あれ?うちのとうきびと何か違う?”。直ぐわかった。“うちのとうきび、裸だ!” “芽かき”をしたときは穂(花芽)にとうきびがなるんだと錯覚していた・・、子供が帰省したら食べさせてやろうと思って丹精込めていた。がっかりした。家内に言葉はなかった。
今年の畑、春先の低温で作況は全体的に不良だ。あとの望みは枝豆か。写真は雑草がいっぱいの豆畑。右からてんこ豆(後ろは赤大豆と紅虎豆)、ささぎ豆、黒豆、小豆、枝豆。東京の友人W氏はことのほか枝豆に目がないという。播種をずらした枝豆。うまくいったら朝採りで送ろう。
お盆過ぎればそろそろ秋野菜の準備だ。それまで休もう。しかし、そうもゆかない。強敵、日照りと雑草が待っている。
平成29.8月