2021.07.01 | エコムジャーナル

エコムジャーナル No.13

 ドラゴン―――不思議なボールを集めないと目にすることができないと思っていました。長いようで短い4ヵ月、4度目の投稿となります秋田担当Aです。

 秋田と岩手の県境にそびえる日本百名山のひとつ八幡平。雪の回廊と言われるアスピーテラインでご存知な方も多いと思いますが、近年ある自然現象が賑わいを呼んでいます。
 山頂付近にある鏡沼―――冬の間に降り積もった雪が、春になると周辺部と中心部が雪解けすることで沼がドーナツ状になります。そこに陽の光・空の色など自然条件が重なった時、鏡沼が龍の瞳のように見えることから「ドラゴンアイ」と呼ばれており、毎年5月下旬から6月上旬の限られた時期に見ることができる神秘的な光景です。中心部の雪解けが進み「開眼」の知らせを聞いた某年6月上旬、いざ八幡平へ―――

 午前中に近くにある秋田焼山の登山を終え、昼前に八幡平山頂レストハウス駐車場に到着。十和田八幡平国立公園内に位置する山を1日で続けざまに登るダブルヘッダー登山ですが、八幡平は山頂レストハウス駐車場から約30分のハイキング感覚で登頂できます。
そしてお目当ての鏡沼は登山口から10分ほど歩いたところにあります。ようやくお目にかかることができたドラゴンアイ。しかし、この年は淵の雪がせり上がり、ひび割れもあって例年とは違った瞳を見ることができました。

 どうやら5月中旬の大雨の影響を受けて水位が上昇して水面が雪を押し上げ、開眼前に形が崩れてしまったようです。自然の造形物であるドラゴンアイ。その年の積雪量や気温変化など、気象条件によってその姿が変わります。

 画像2枚目は別の年のドラゴンアイです。※秋田県公式サイトより

 2座目の登頂を達成した安堵感から、山頂で腹ごしらえ。晴れの日は山頂展望台から岩手山・鳥海山・月山まで一望できるそうですが、この日は南東の岩手山のみ見ることができました。山頂で自然の景観を楽しみながらドリップして飲むコーヒーは、登山の疲れを癒してくれます。

 さて、エコムジャーナルは今回の投稿より2年目に突入しました。現状は少数精鋭の持ち回りで担当しておりますが、それぞれの個性あり、特別号もあり、これからも読み応えある投稿の継続に努めて参ります。ますますのご愛読、よろしくお願いいたします。