2021.08.02 | エコムジャーナル

エコムジャーナル No.14

 岩手県北上市担当のKです。暑中お見舞い申し上げます。
 この文を書いている時点では今年の夏は始まったばかりなのですが、東北においても今年の夏は厳しそうですね。皆様方におかれましても、くれぐれもご健康に留意しつつご自愛頂きたくお願い申し上げます

 今回もまたジャズという音楽にまつわる話をさせて頂きます。よろしければではありますが、少しの時間お付き合いいただけましたら幸いです。

 岩手県一関市には日本一のジャズ喫茶と呼ばれ、全国的にも有名なベイシーというお店があります。その影響もあってなのでしょうか、日本独自の昭和の文化として、残念ながら全国的にはかなり廃れてしまったと言ってもよいジャズ喫茶という文化が、岩手県では比較的健在です。
 岩手県に越してきた当初、若き頃よりジャズ喫茶の薫陶を受け、その巨大スピーカーから発せられる爆音を体に刷り込んで育った私としましては、車で広い岩手県内を運転しつつ夢中になって聖地巡礼したものでした。

 写真は私が巡ったお店のうちの一つで、北上市の隣の奥州市にあるお店です。マスター御自身が設計して建てられたお店との事です。お店に入って見てみるとなるほど、これだけの巨大スピーカーを生かすための(JBLのパラゴンという伝説のスピーカーです)天井高さと奥行き。本当によく考えられていると思いました。
 お店のマスターとは当初あまりお話などはしていませんでしたが、最初にした会話はお店のレコードブース横に置いてあった、委託販売のLPレコードを購入した時だったことを憶えています。

 会計の際に「これ女性ボーカル?」といぶかしげに聞かれて、「これジャズじゃないのだけれど、若かったころによくこのアルバムを聴いていたのです。つい懐かしく連れて帰ることにしました。」と、私の長々しいそのレコードの説明を小さくうなずきながら聞いていただいていたのを思い出します。
 それからマスターとは会計の時などに少し言葉を交わすようになったのですが、昨今のコロナ禍もあり去年の冬からお店を閉められています。休みの日に体が空いていると、再開していないものかとお店に車を走らせますが、現在に至るまで休業状態のままとなって久しい状態です。

リッキー・リー・ジョーンズ 「PIRATES」

 上に書いた、私がお店で買ったレコードアルバムというのがこのアルバムです。
 1980年代の英ポップシーンを代表する女性ボーカルで、このアルバムは2作目のアルバムとなります。この「PIRATES」発表の後、ジャズ方面への傾倒を深めていったことからジャズファンの中でも認知度が高いミュージシャンだと思います。今ライナーノートを見ているのですが、知っている共演者を書き出してみると、スティーヴ・ルカサー/ニール・ラーセン/スティーヴ・ガッド/ドナルド・フェイゲン/ランディ・ブレッカー/デビッド・サンボーン/ヴィクター・フェルドマンetc・・・これはすごい。
 どれも大好きの曲ばかりですが、特に「We Belong Together」と「A Lucky Guy」は名演だと思います。YOUTUBEで検索していただけましたら、聴くことができると思いますので、よろしければではありますが、お試しいただければと思います。

 たとえそれが小さいものではあったとしても、大事にしていた日常の一コマを失いことなく、一日も早く取り戻す日が来ることを願ってやみません。

 北上市担当のKでした。ここまでお読みいただきましてありがとうございます。