2022.03.01 | エコムジャーナル

エコムジャーナル No.21

 昨年、晩秋のある日のこと。冬の到来を間近に感じる肌寒い夜、出張から戻ると自宅のリビングがいつも以上に明るく感じます。何の前触れもなく突如として目に飛び込んできた約30センチ幅の水槽の中を見覚えのない華やかな魚たちが泳ぎ回っています。

 以降、週末は毎週のように子どもたちからペットショップ行きをリクエストされ、どこへ出掛けても近場の店に寄っては新しい仲間が増えていきます。まるで長めの英単語を話しているかのようなカタカナの魚の数々。一度耳にしただけではなかなか覚えられない魚の名前を、子どもたちはすらすらと口にします。子どもの頭の柔らかさ、吸収力には日々感嘆させられ羨ましさを覚えます。

 水槽が手狭になった頃にクリスマスを迎え、子どもたちは祖父に大きめの水槽をねだり、サンタクロースにはライトをお願いして現在のアクアテラリウムが完成しました。

 年が明けて間もなく、水槽内に見覚えのない動きを見つけ、目を凝らすと水草に数匹の稚魚を発見します。すぐさまネットを用意して、いつの間にか誕生していた家族の安全を確保。成長を見守ること約1ヵ月、水槽に戻した頃は遠慮深く水草に隠れていた稚魚たちでしたが、すくすく育って今では縦横無尽に水槽内を行き来します。

 生き物を育てるには責任と覚悟が必要になります。子どもたちには餌やりや水換えをはじめいろいろな経験を通じて命を守ることについて学び、何かを感じてくれたらと思っています。

 本日3月を迎え、寒さ厳しい今冬の出口が見えてきました。春になると我が家の軒下にはツバメが飛来して巣作りを始めます。番となってヒナを守り、巣立っていくまでの流れもまた子どもたちには良い勉強になります。春の訪れはもうすぐです。

秋田担当A