2022.08.01 | エコムジャーナル

エコムジャーナル No.25

夏が来れば思い出す

【カスべとそうめん】

カスベ煮(※)

 夏の食べ物といえば、象潟の岩ガキ、六郷のニテコのサイダー、土崎のカスべ、そしてお決まりのそうめんとなる。中でも土崎のカスべ煮は逸品だ。カスべはあのエイだ。マンタの小さい奴だ。鰻を気持ち悪いの一言で食べない者が、あのエイを食べるのである。エイはカチカチに乾燥して店頭に並ぶ。押切のようなもので3~5センチ角近くに切ってあり、一晩水で戻し、醤油と砂糖で甘辛くぐつぐつと煮詰めるのである。身は数層にも重なりかみごたえは充分だ。時に歯に挟まり、人前では難渋する。ひれの部分はあの羽のように動かす部分でコリコリと軟骨をかむのは好きではない。損した気になる。しかし、値段が高いからひれの部分も食べる。私はゲテモノと言われるものは食べないことにしている。特に動物系は一切食べない主義だがカスべだけは違う。子供のころからカスべは土崎の港まつり(ユネスコ文化遺産の一つ)に欠かせず、舌があの味を覚えている。我が家のカスべ煮は写真のような上品さはない。もっと色濃く、いってみれば照りのある八丁味噌のような色合いだ。土崎の家庭はみんなそうだと思う。

 ところで、濃厚な味からそうめんになるが、そうめんの嫌いな人はいないと思う。が、素そうめんでは寂しい。薬味があると食欲をそそるというか豊かな日本文化になる。わが菜園では早生と遅れて出てくる2種のミョウガがある。ふんだんに食べられる。店で買うほど太ってはいないが、味は変わらない。
 薬味はミョウガのほかショウガでもネギでもいい。最近まで、ねぎは下の方に伸びるものと思っていた。どうしても白いところが伸びない。栽培は難しいものと思っていたが、ねぎというのは上に伸びるから土かけをするということが最近わかった。ついでに、もう一つ、トウモロコシだが、始めたころ、実は花が咲いたところになるものと脇芽は全て一生懸命摘んでいた。ところがある時残った脇芽にトウモロコシがなったのである。それまでは何で実がならないのか不思議だと家内と言っていたのが夢のようだ。我が家の菜園、今年は36種植え付けた。ジャガイモ・なす・ささげ・ほうれん草・きゅうり・きぬさや、たらふく食べた。いつまで続くか。

※出典 : 農林水産省Webサイト(かすべ煮 秋田県 | うちの郷土料理:農林水産省 (maff.go.jp))