2022.11.01 | エコムジャーナル

エコムジャーナル No.28

 3年ぶりに各地でイベントが開催され活気が戻りつつありますね。青森市でも、いつもと違うやり方ですが、ねぶた祭が行われました。

 ねぶたの運行方式は2種類あります。
 一つは、もともとの運行方式で、出発地点から順番にねぶたが出陣する「吹き流し方式」。出発地点から離れた場所では、しばらく待たないとねぶたは来ませんが、遠くからの小さなお囃子がだんだん大きくなるにつれて、感情も高ぶるのがたまらないと言う人もおります。津軽弁の「じゃわめぐ」ということでしょうか。
 もう一つは「一斉スタート方式」。予めコースにねぶたを配置して運行を始めるので、先頭、最後尾が無く、どこにいてもねぶたをすぐに見ることができます。
 「吹き流し方式」時代、最後尾に「カラス跳人」と呼ばれる黒ずくめの跳人が付いて回り、暴れたり喧嘩をしたり社会問題となっていたので、この人達を排除するために考えられた方式です。
 前回までの10年間は「一斉スタート方式」でしたが、今年は跳人の参加者を予約制にし、人数を制限して「吹き流し方式」に戻しました。また、歩道上の桟敷席を無くし歩行者の密を防いだり、歩道上での露店販売も無くしたりと少し活気に欠けましたが、無事に終わり良かったです。祭期間中は雨もほとんど降らず奇跡としか言いようがありません。

 うれしいことに協賛しているねぶたが「ねぶた大賞」、製作者の竹浪比呂央先生が「最優秀製作者賞」を受賞いたしました。また、竹浪先生はJRねぶたも製作し、こちらは「県知事賞」を受賞しております。

 伝統のある祭でも、ねぶた師の先生はじめ実行委員会や各団体の皆様は、伝統を守りながら毎回新しい取組にチャレンジしております。
 その一例として、ねぶたの光源ですが蝋燭から電球、そしてLEDと変わってきており、青白い鮮やかな光を放っています。また、見えない部分では発電機を低騒音、低公害型にしたり、発電機から充電式バッテリーにしたりと、排ガス、CO2、騒音等、環境に配慮した取り組みをしております。
 大型ねぶたの電気は沢山使うため発電機でなくては賄えませんが、前ねぶたという小さなねぶたの電源は、発電機から充電式バッテリーに代わって来ております。更に充電式バッテリーも小型、高性能、利便性の良い物を試したりしております。

 前ねぶたには大きな充電式バッテリー(後ろの紫色)が2台使われておりましたが、途中で電気が無くなってしまうことがあったそうです。今年は試しに1台を高性能な充電式バッテリー(手前の黒色)を使ったところ、小さいにもかかわらず電気が無くなることはなかったそうです。そのうえ、同程度の他社製品は満充電時間が8時間のところ、これは95分と非常に短いので使い勝手が良かったそうです。(製品名:ボルタンク)
 ねぶた製作中もコンセントの無い場所に、この充電式バッテリーと扇風機を置いて暑さをしのいだそうです。ねぶた小屋はとても狭いので、電源ケーブルがあると足を引っかけて危ないので安全面にも優れていたとのことです。
 災害時の非常用電源として採用が多い充電式バッテリーですが、家庭用電源や発電機の代わりに普段使いできることをねぶた祭で知ることができました。

 コロナ感染や自然災害などで困ったことや不便なことが出てきますが、やり方を工夫することで何とか克服できるかもしれないですね。
                                          青森 H