社長だより vol.99
過ごしやすい気温の日々が続いていますが、6月と言えば“梅雨”です。全国的には既に梅雨入りした地方もあります。秋田県を含む東北北部の平年の梅雨入りを調べてみると「6月15日頃」でした。しかし既に梅雨入りした地方は全て“平年より7日前後早く”梅雨入りしています。今年の梅雨入りは早まる傾向のようです。秋田県も、もう少しで梅雨入りとなるかもしれませんね。
(ちなみに昨年、東北北部の梅雨入りは6月6日頃でした。)
今月は最近読んだ本『栗山ノート』についてご紹介したいと思います。勿論、皆さんご存じの「2023年WBC日本代表監督:栗山英樹さん」の著作です。2019年の10月に初版が発売されましたが、今回のWBCでの活躍が引き金となり再注目されています。私も再注目の波にのり、購入した1人になります。栗山英樹さんは幼少の頃から“野球ノート”をつけているそうで、学生時代やプロ野球選手時代、ジャーナリスト時代や監督時代と様々な立場でその時のプレーや思いだけでなく、古典や経営者の著作から抜き出した言葉などでノートは埋め尽くされているそうです。その“野球ノート”から抜粋したものが著作『栗山ノート』になります。
今回は『栗山ノート』で取り上げられていた“言葉”をご紹介致します。
●『五事を正す』
江戸時代初期の陽明学者で、近江聖人と称された中江藤樹(とうじゅ)は、人間として大切な道を学び、実行していきました。その教えのひとつで五事とは「貌(ぼう)、言(げん)、視(し)、聴(ちょう)、思(し)」を指します。「五事を正す」ことが、すなわち良知=美しい心を磨き、家族を大切にする、先祖を敬う、大自然の恵みに感謝することにつながります。
「貌(ぼう)」は風貌や容貌、美貌などの単語で使われ「なごやかな顔つき」を意味します。「言(げん)」は思いやりのある言葉で話しかける。「視(し)」は澄んだ目で物事を見つめる。「聴(ちょう)」は耳を傾けて人の話を聴く。「思(し)」はまごころを込めて相手のことを思う、という事です。
●「これを知る者は、これを好むに如(し)かず。これを好む者は、これを楽しむ者に如(し)かず」
「論語」の有名な言葉です。学ぶことにおいて、その知識を知っているということは、勉強を好きな人には及ばない。勉強を好きな人は、勉強を楽しんでいる人間には及ばない。知ることよりも好きなことが、好きなことよりも楽しむことが上達につながる、ということでしょう。
●「人生では批判する側ではなく、批判される側にいるべきだ」
脚本家の倉本聰さんが助言してくれた言葉です。批判される側は、何かを作ったり起こしたりする立場にあります。それに対して批判をする側は、作られたもの、起こったものに対して意見をする立場です。(こちらは本編ではなく、前書きで紹介されていた言葉になります。)
皆さん、今回ご紹介した3つの言葉について、何を思い、何を考えましたか。私は、まず栗山英樹さんが凄い勉強家で野球のことだけでなく、様々なジャンルを網羅している事に驚きを感じました。そして著作のあらゆる部分で「野球人としても、ひとりの人間としても、何ひとつ成し遂げていない自分が、、、」「私自身の能力が足りていない、、、」などといった言葉で“謙虚な気持ち”を感じる事が出来ました。やはり何かを成し得る人は、謙虚で視野が広くて日々努力を惜しまないのだと改めて気付かされました。又「なごやかな顔」「思いやりのある言葉」「澄んだ目」「耳を傾ける」「相手のことを思う」は非常に大切な事だと思います。人間誰しも気分が良い時だけではありませんが「五事を正す」を心掛けて、どんな時にも“楽しみながら”“謙虚な気持ちを忘れずに”何かを作ったり起こしたりしていきたいと思いました。
長いようで短い1ヵ月。又1ヵ月後に更新致しますので、お付き合いを宜しくお願い致します。
令和5年6月