2023.10.02 | エコムジャーナル

エコムジャーナル No.39

【今年のマイ畑】

 長雨と高温で全般的に出来が良くなかった。特に芋類と豆類がよくなかった。ジャガイモは小粒で、今年初めて腐った芋が出てきて驚いた。サツマイモもごろっとした焼き芋用がほとんどない。ネズミも食糧難を察してか今年は巣作りをしていなかった。里芋も同じ、正月は小さなものが重箱に入っているだろう。今までほおっておいてもそれなりにできていたのに。やはり手入れだと家内と意見が一致している。
 豆類も同様というよりさやが膨らまない。時期が前のほうにずれている。特にきぬさやは例年飽きるほど食べているのに今年はお飾のていだ。来年用の種も取れなかった。悲惨なのが枝豆だ。「浴衣娘や秘伝」がからっきしだ。毎年平塚の友人に送るのだが、量がなく、なすとオクラで調整をした。向こうからの電話では、「奥方がなす大好き人間、喜んでいます」という。そして博多の有名なスープが送られてきた。まさしくエビで鯛を釣ったというのはこのことだ。恐縮します。
 かぼちゃ・スイカ・きゅうりなどつるものもがっかりだ。水もやらないで、豊作を期待するのがそもそもおかしい。大根のすぐりなの味噌汁を食べながら家内と「来年は水やりと草取りの管理をしっかりやろう」と誓うのは恒例の行事だ。今家内が心配しているのはキャベツのうねにカリフラワーを間違って植えたことだ。そのうちカリフラワーは防虫網にひっかかるだろう。これから移植して大丈夫だろうか。

 畑ものは来年があるから諦めもつく。本ジャーナル8月号に100年も経つ「のうぜんかづら」が折れたことを書いた。1か月たってやっとどう修復するか決めた。結果は同じ、折れたところから切ることにした。長い髪の女性をおかっぱにしたようなもの。慣れるには時間がかかる。
 そして、向こうに行って、おやじにはもう一つお詫びをしなければならないことがある。石楠花だ。本当に申し訳ない。庭に地植えしているのだから日照りでも大丈夫だろうとたかをくくっていた。気づいたら葉は外側に丸まって枯れてしまった。のどが渇いていたんだろう。かわいそうなことをした。お茶の木に次いで宝物であったミカンも涸らしているからさぞかしがっかりしているだろう。
 昭和21年編集の日本植物歌集に
 夕やみの中に一むら咲きむれてしゃくなぎの花ほのぼの白し 金澤種美(ためとみ)がある。
もう見ることはできない。