2024.02.01 | エコムジャーナル
エコムジャーナル No.43
【春めく】
今年は暖冬の予報であったが、今のところ予報が当たっている。朝新聞を取りに門扉まで出ても身震いするということもない。わずかに残った雪を踏んでも「ぶすっ」と気の抜けた音。春が近いのかなと錯覚するが、例年今が一番寒く、雪もあるはず。そういえば、昨年末から“季節労働者”の「2代目青野掻き太郎」が来た。今年は今のところ出番が2回しかない。裏庭を回っても枝が折れそうな木も見えない。しかし、それにしても茶色に枯れた石楠花3本は目につく。彼らには本当に気の毒をした。まさか日照りが続いたからと言って地植えしたものが枯れるなどとは思いもしなかった。
車を走らせて、太陽が出ていると春が来たと思う日が何日もある。「春めく」を感じ、心がはねる。まだ寒い時候にどことなく春めいた艶めかしい匂いが窓から漂うのを感じとっているのだろう。「春めく」というのは『まだ冬のうちに春を感じ取ることなのか、あるいは早春になって寒いうちにも春を感じるということなのか。その点はあいまいだがそれは日本人が今日、幾段にも春の襲来を感じ分けていることになる。*』
毎日食べても大好きな七草が過ぎ、節分が過ぎて暦の上では春だが、本当はこれから寒の季節に入る。本来はまだ酷寒は続き、「春遠し」「余寒」とか「冴え返る」という季語が2月ごろの寒さを強調している。しかし今日の最高気温は9度だそうだ。
*言葉の歳時記 「春めく」 山本健吉