2024.05.01 | エコムジャーナル

エコムジャーナル No.46

拙宅で春のおなじみとなったツバメの飛来―――例年ただいまの鳴き声は4月になってから聞きますが、記録的な暖冬少雪の影響か今春は3月下旬におかえりと迎えました。

11年前、最初にやって来たツバメが番となって巣をつくり生活がスタートしました。2週間が経過した頃に抱卵がはじまります。そして数日後、地面に卵の殻が落ちているのを見つけた時はもう少しで雛の顔が見られると家族で胸を躍らせました。しかし、親ツバメが出かけた隙を見計らって天敵が現れます。気づいた親ツバメが倍以上も対格差がある天敵と必死に戦ったと思われる跡を見て、何とも悔しい気持ちになりました。

「もう来てくれないだろう」―――家族でそう口を揃えながらも壊された巣があった箇所をきれいにして迎えた翌年、同じツバメかどうかは判断できませんが帰って来てくれた時はほっと胸を撫でおろしました。1年越しに雛の顔を見られた時は感動しかありません。以来11年間、欠かすことなく訪れてくれています。最初の数年は1シーズン1世帯でしたが、3~4世帯の巣立ちを見守った年もありました。環境の変化により生態系も変わり日本の野鳥は減少傾向にあると聞きますが、これまで何羽のツバメが巣立ったでしょうか。

 親ツバメは日中ほとんど休むことなく夕方まで飛び回って巣作りに必要な泥土や食事となる虫をせっせせっせと運び、夜は静かに羽根を休めます。天候も土日祝日も関係なく毎日早朝から働き続けて家族を守る姿には本当に感心させられます。親ツバメと見た目で変わらないくらいになると天敵に狙われる心配も薄れ、まもなく飛行訓練が始まります。しかし、また試練が訪れます。親ツバメからの食事を待ちきれず身を乗り出しすぎること、兄弟が多いと成長につれて巣が手狭になること、うまく飛べずに地面でじっとしていること。こういったシーンも毎年のように見掛けます。親ツバメが助けることもできなければ、人間が容易く手を出すこともできません。毎シーズンきびしい背景を目の当たりにしながら、新たな雛ツバメの成長と巣立ちを見守り続けています。

 春と言えば、花見も楽しみのひとつです。秋田地方気象台は今年4月10日に秋田市の桜が開花したと発表し、その翌週には当社がある団地の桜も見頃を迎えました。空気も澄んで、秋田市内から残雪の鳥海山を眺められる日も増えています。今年は登山開始から10周年。記念の年に「燕岳」への登山もいいかもしれません。

秋田担当A(10回目の投稿)