2025.01.08 | エコムジャーナル
エコムジャーナル No.54
健やかに初春をお迎えのことと存じます。皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。本年もよろしくお願いいたします。
「登山はもういいな」―――下山後に必ずと言っていいほど相棒とこの言葉を交わしますが、数日後に開催するお疲れ会では「次はどこの山を目指そうか」と話が弾みます。このやり取りも何だかんだと9年続き、迎えた登山10周年。盛大に迎えようを合言葉に北は利尻から南は宮之浦まで、あるいはアルプスの女王・燕岳などを候補に考えながら、選んだのは登山を始めて何時しか憧れたふたつの景観でした。
上高地―――年間120万人が訪れるという山岳リゾート。梓川の清らかな水の流れと豊かな緑が広がります。名山の登山口ながら観光地でもあり、朝6時台にも関わらず多くの方々が自然を楽しんでいました。河童橋とその向こうに仰ぐ穂高連峰の景観に息を飲みます。次の目的地までは6時間、途中で野生のニホンザルが迎えてくれました。
涸沢カール―――3千メートル級の名峰4座に囲まれた標高約2,300mの大パノラマ。10年前、この絶景を眼前にできる日が来るとは思いもしていませんでした。紅葉時には多くて2千張りに及ぶ色とりどりのテントが所狭しと並びます。その迫力と絶景は6時間も歩を進めた疲れを癒してくれました。涸沢ヒュッテで飲んだ生ビールは決して大袈裟ではなく、これまでで一番おいしい一杯だったことでしょう。
この日は涸沢の夜空に広がる星を枕にし、翌日に備えます。目指すは日本で標高3番目の奥穂高岳―――さて、どんな景観を目にすることができるでしょうか。
次回に続きます。
秋田担当A(11回目の投稿)